紅葉求めて奥多摩は鷹ノ巣山へ 完結編
11月15日（土曜）曇りやっと鎌倉の山々も薄っすらと色づいてきました。
でも鎌倉の紅葉はまだまだこれから。今度の連休あたりからやっと始まるといったところです。
さて、今回は紅葉求めて奥多摩は鷹ノ巣山へ行ったときのお話の完結編です・・・。
奥多摩随一とも呼ばれている山頂からの展望を目指して、8時34分、中日原（なかにっぱら）から登り始めた私は、11時30分ジャスト、鷹ノ巣山の山頂に到着した。
はたして前回のときには全く見ることができなかった展望を得ることができるだろうか。
これが鷹ノ巣山の山頂。
ご覧のとおり空にはやや不気味な雲が垂れ込めていたものの、少なくとも前回山頂を覆っていたガスはない。
そして、正面やや右下に見える山が結構きれいに紅葉していて、その先には奥多摩の山々が鎮座していた。
前回が前回だっただけに、この光景は私を感動させた。
これだけ見えれば十分でしょ。
しかもこのとき山頂には私以外には誰もいなかった。この大展望を独占である。
山頂直前は本当にこたえた。塔ノ岳よりもずっとつらかった。
だけど山頂到着時の疲労はそうでもなかった。あるいは大展望が疲労を吹き飛ばしてくれたのかもしれない。
10分後ぐらいに例の話好きの親父が現れた。山頂独占の終了だ。
親父は4年前にも一度ここに来ているらしい。しかしそのときは、それこそガスで何にも見えなかったという。
そのせいで彼は大いに感激していて、夢中になって撮影していた。
一方私の方は段々冷静になっていて、
「もっと晴れていればよかったんですけれどねえ」
と彼に愚痴っぽく言っていた。
鷹ノ巣山山頂は、北面こそ樹木に覆われているものの、対照的に南面は明るいカヤトの斜面にお花畑が広がっている（「山と高原地図・奥多摩」添付の小冊子より）。
山頂にはベンチは1つもないため、私はその斜面に腰掛けて食事にかかった。
シーフード味のカップヌードルにお湯を注ぐ。
素敵においしい。何で山でラーメンを食べるとこんなにおいしく感じられるのだろう。
そしてコンビニで買ったおにぎりやゆで卵もグーだった。
ちなみに山頂はかなり寒かった。ラーメンのスープがみるみる冷めていったほどに。
もう山には冬が訪れているといってもいいのかもしれない。
食事が終わった頃、夫婦者が到着した。相変わらず自分たちの世界を作っていて、特に私に話しかけてくる様子もなかった。
だけどよく喋るおじさんが私から離れた位置にいたんで、夫婦者の旦那の方に記念撮影をお願いした。
もちろん快く引き受けてくれた。そのとき旦那が「ここはまともな山頂表示がないんですよね」と言っていたから、彼（ら）はもう何度もここに来ているのかもしれない。
撮影のあと、「何時頃着いたんですか？」と唐突に旦那が私に尋ねてきた。
「そうですねえ。20分前ぐらいでしょうか」と答えたら、「そんな前だったんだ」みたいなことをつぶやいていた。ちょっと悔しかったのかもしれない。
出発予定時間が近づいてきた。そろそろ下山を始めよう。
そう思って、よく喋る旦那の方に「そろそろ出発します」と言ったら、「もう行っちゃうんですか」と意外そうな顔をした。
「せっかく苦労して山頂まで来たのに、どうしてこの人はそんなにすぐに下山しちゃうんだろう」と思ったに違いない。
実際私は、山頂を極めてしまうととっとと帰りたがる性質がある。「家に戻って早くビールを飲みたい」とか考えてしまうのだ。
ちなみに私は山頂でアルコールを飲むのは全く苦手だ。
というわけで、11時55分、山頂のど真ん中に立っている指導標の「石尾根縦走路（六ツ石山 奥多摩）」という案内に従って東に向かって歩いていく。
いわゆる防火帯になっているらしく、道は不自然なほど広く、車でも十分走れるほどだ。
左右の樹木にはきれいに紅葉しているものがあった。だけど大分葉っぱが落ちているようだ。山頂付近ではもう紅葉のピークは過ぎているのだろう。
一方後ろを振り返ると、鷹ノ巣山山頂付近には右から真っ白なガスが押し寄せてきていた。あるいは私が下山後、ガスに包まれた可能性もある。
そういった意味では運がよかったのだろう。
今回の山行、思ったほど天候には恵まれなかったし、紅葉の方もイマイチだった。
ついでに、秋も深まりすぎたのか、野の花との出合いもほとんどなかった。
それでも久しぶりに奥多摩まで来て、どっぷりとその雰囲気に浸れて、満足だった。
さて、ここから奥多摩湖にあるバス停まで2時間半ほどか。頑張るか・・・。
おわり
付記 ： 翌日久しぶりに筋肉痛に襲われた。富士登山以外で筋肉痛になったのは、今年初めてだったりする・・・。
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