遂にデジタル一眼レフ、購入！

　「身勝手随筆集」の30にも書いたとおり、今年の8月20日、キヤノンがEOS Kiss Digital（以降KissD）というデジタル一眼レフカメラを発売した。
　それまでの「安くても20〜30万はする」というデジタル一眼レフカメラの常識を打ち破る、「もう少しで実売価格が10万円を切る」カメラの登場だ。

　これは他メーカーに与えた打撃も大きかったが、同じキヤノンのEOS 10Dを買った人の打撃も少なからず大きかった。何故なら、それまでEOS 10Dは「一番安いデジタル一眼レフカメラ」だったからだ。「世界で初めて実売価格で20万を切ったレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ」がEOS 10Dなのだ。
　「だからこそ買った」という人も多かった。「あればKissDでもよかったのに」という人もいたわけですね。

　KissDが発売された当初、EOS 10Dのヨドバシやビックカメラでの価格は198,000円＋10%ポイントというのが相場だった。それがKissDは118,000円＋10%ポイントだったのだ。ポイント分も値引として考えると、178,200円対106,200円ということで、およそ72,000円の差があった。
　これだけの差があるとかなりいいレンズが買えてしまう。かなりいいコンパクトデジカメだって買えてしまう。カラープリンタなんて楽勝で買えてしまう。
　しかもEOS 10DとKissDは、機能面では差がなくはないものの、画質という面では同じ画像素子（630万画素のCMOS）を使っているという点で互角だった。 　要するに生成される画像は全く同じというわけ。これでは買う方が悩んでも不思議はない。


　私も正直悩んだ。確かにKissDはダサイ。シルバーと黒の混ざったデザインから「パンダのようだ」と揶揄する人もいる。また、いかにも作りが安っぽかった。全身プラスチックの塊だから。
　実際某お寺の某住職は、KissDを見て「何と不細工な！！」というメールを送ってきた。

　あと、Kissというネーミングもどうかと思う。これでは男性は買いにくい。実際海外名は300Dが一般的で、アメリカではRebel（反逆者という意味）という名前らしい。

　Rebel（反逆者）とKissじゃ、正反対みたいな名前じゃないかあ！

　しかし、なるほどKissDはダサイが、KissDの軽さには魅力があった。EOS 10Dは機能的にはいいものの、カメラとしてやや重たいのだ。ほんの230g程度の差なのだが、その差は結構持ってみると違うのだ。私のように「気楽に持ち歩きたい」と思っていた人間にとって、この軽さは魅力だった。

　しかし見た目のダサさだけならともかく、KissDとEOS 10Dの間には微妙な機能の差があった。たとえば連写のとき、何枚続けて撮影できるかとか、AFモードの自由さとか。
　KissDは初心者向けに作られてしまっているから、いい意味でも悪い意味でもカメラまかせで自由度がないのだ。

　「しかし値段差がなあ」と思っているうちに、キヤノンがEOS 10Dに512MBのコンパクトフラッシュ（CF）を添付するサービスを始めた。CFとはフィルムの代わりをするもので、512MBあるとおよそ200枚以上の画像が1度に記録ができる。しかも添付されるCFはヨドバシあたりで買っても1万5千円以上はするメーカー品だった。

　さらに私は、ヨドバシやビックでは値引は期待できないものの、全国チェーン展開しているキ○ムラだと、交渉次第でかなり安くなる、という情報をネットでつかんだ。

　そこで早速キ○ムラの東戸塚店に行ってみた。
　しかし、どう粘っても178,000円以下にならない。
　え？178,000円ならヨドバシ並みでいいじゃないかって？いや、ヨドバシやビックでも、ここのところネット販売だと192,000円＋10%ポイントになっていたのだ。それだと実質172,800円だ。だからそれ以下にならないと意味がない。

　そこでキ○ムラの東戸塚店で買うのは断念。
　それからしばらく経ってから、今度はキ○ムラ茅ヶ崎店に挑んでみた。表示価格は相変わらず178,000円だった。しかしキ○ムラだと店舗によっては165,000円で手に入れた人の話もネットで紹介されていた。
　そこでそんな例を出しながら粘ったら、166,666円になった。「半端だな」と思ったら消費税を加えてみてほしい。ちょうど175,000円になる。
　実はキ○ムラだと5年間保障がつく。5年間保障がついて166,666円で買えて、なおかつ1万5千円相当の512MBのCFがつくのなら、実質15万以下で買えたの同然である。これならKissDとの価格差は4万4千円程度。

　決まりですね。

　というわけで、私は遂に念願のデジタル一眼レフカメラを、キ○ムラ茅ヶ崎店で手にすることとなったのです。


　とりあえず、一度は知人のＳさんに売った標準ズームレンズを奪い返し（？）、早速横浜は「みなとみらい21」あたりにスナップ写真の撮影に行った。

　しかし、久しぶりの一眼レフカメラでの撮影はなかなか大変だった。ここのところずっと小型のコンパクトデジカメに慣れてしまっていた私にとって、大きな一眼レフタイプのデジカメは、構えるだけでもかなりの勇気を必要としたのだ。
　実際、最初の1枚はなかなかシャッターが切れなかった。

　ま、それは「慣れ」の問題として、やはり「ファインダーをちゃんと覗いてフレーミングして写す」というカメラ本来のスタイルが取れるデジタル一眼レフカメラは気持ちがいいですねえ。
　液晶画面を見ながら写すコンパクトデジカメやケータイのカメラ機能を否定するわけではないが、それでも「カメラはファインダーを覗きながら写すもの」なのだと、あらためて再認識した。

　今後は、デジタル一眼レフカメラの名に恥じない作品を写すことが私にとっての課題ですね。
　ま、安いコンパクトデジカメでも傑作を写している人は山ほどいるのだから、これだけは才能の問題です。みなさん、あまり期待しないで下さいね。