継続は力なり（私はこうして醜い下っ腹とおさらばした）

　去年の夏のこと・・・。

　風呂上りに自分の裸を鏡で見た私は「ぎゃっ！」と叫んでのけぞってしまった。

　あまりにも醜い体型がそこに写っていたからだ。
　そう。見事なまでに下っ腹が出ていたのだよ。

　中年以降になると男女問わず襲われるのが体の線の崩れだろう。特に醜く出っ張った下っ腹は、禿げと並んで中高年男の象徴である。
　しかし自慢じゃないが、私は細身である。中年と呼ばれる年になってからも、それは基本的に変わらなかった。

　そりゃもちろん、たまには「少しお腹が出てきたかな」とは思うことはあった。
　だけどあまり深刻に考えてはいなかった。ズボンのウエストサイズも基本的には変わっていなかったし。

　その私が、久しぶりにじっくりと自分の裸を観察して、思わずのけぞってしまったのだ。
　まさかあんなに下っ腹が出ていたとは・・・。

　元々太っている男の腹が出るのはそれなりに絵になるものだ。七福神の大黒様（だいこくさま）や布袋様（ほていさま）だって太ってお腹が出てはいるが、あれはあれで絵になっている。

　しかし痩せている男の下っ腹の出っ張り・・・これはいかん。まるで絵にならない。醜い。
　だって、まるで仏教画に出てくる、手足はやせ細り、お腹だけが出ている餓鬼（がき）のようでしょう？

　あまりに見事な醜さだったもので、思わずデジカメで記念撮影してしまったほどだ。
　見たい？見たくないですね。私も見せたくない。

　というわけで、急遽私はある運動を始めることにした・・・。

　何年か前にTBSの「回復！スパスパ人間学」という番組で「3週間でウエストにくびれを作る運動」というのを紹介していたことがある。

　腹筋運動を中心とした運動を行うことで、お腹のだぶついたお肉を取り、ウエストを細くして、そこにくびれを作るというもの。
　実験に参加した3〜4人の女性のウエストサイズが、たった3週間で平均5〜6cm細くなったのを見たときには驚いたものだ。

　番組が放映されたときには「へえ・・・」って感じで見ていただけのその運動を、この醜い下っ腹とおさらばするために行おうと思い立ったのだ。

　私は過去にもジョギングとかウォーキングとか継続して行ったことがあるのだが、あまりそれらによっていい結果が出たことがなかった。要は「継続は力なり」が目に見えて実感できたことがなかったのだ。

　だから今回もあまり期待はしてなかった。

　おっと！かんじんの運動の方を説明していこう。
　文章で説明するのはなかなか難しいが、次の3つの体操から成り立っている。


　特に(2)はこの説明では分かりづらいだろうが、私の文章力不足です。勘弁してください。
　これを、できれば朝昼晩、食事の前に(1)と(2)は各3回ずつ、(3)は10歩歩くという運動を行う。6日間やったら1日休ませるのがコツだ。

　私はそれを、まあ無理をせずに夜しか行わなかった。
　それで効果が出るものなのかどうか。正直、ほとんど期待はしていなかった。

　ところが・・・である。

　去年の11月あたりから、何気なく腰に手を当てたりしたときに「あれ？」と思うようになってきた。
　そう、明らかにウエストが細くなってきたのだ。

　思えば腹筋もかなりついてきた。正面の腹筋だけじゃない。お腹の脇の腹斜筋（ふくしゃきん）と呼ばれる筋肉もついてきた。

　で、肝心のウエストサイズなのだが、なんと一回りサイズの小さいズボンが履けるようになったのだ！逆に今履いているズボンは緩々になってしまった。

　う〜ん。すごい、すごい！

　まあ去年の秋口からウォーキングもそこそこするようになったから、その影響ももちろんあるとは思うが、ウエストサイズに関してはやはり「スパスパ人間学運動」のお陰だと思っている。

　そう。この手の運動に関しては、初めて「継続は力なり」が目に見えて実感できたって感じなのだ。

　中年以降になってくると、腰痛に悩む人が増えてくる。腹筋を鍛えるというのは腰痛防止にも大きな効果があるという。
　一石二鳥ってところかな？

　ちなみに、ウエストが細くなったのはいいのだけれど、下っ腹の方はまだまだ余分なお肉がついている感じがする。

　どうやら相当継続しないと、醜い下っ腹とは完全におさらばできそうにないようだ。
　「継続は力なり」・・・せいぜい頑張ろう。